昭和32年10月から、東海道本線の急行にマロネ49がやってまいりました。所属は「大ミハ」運用は、東海道本線急行列車の花形列車である17列車「彗星」に割り当てられました。今回はアダチ模型製作所さんのマイネ37130を元に、彗星に使用された冷房改造された1号を模型化しています。
さて、今までのハイライト
棒オークションサイトで、アダチ模型のマイネ37130の完成品を入手することが出来たのが2016年の年の瀬でした。この時すでにマロネ49冷房改造車へ改造する構想はありました。(寂しいので室内灯のみ装備しています)
思い切って塗装を剥離! それから順調に工作は進みました。まずは冷房ダクトを隠すための「きせ」の作成。当初、ニワのロストパーツが手元にあったのでそれを使って簡単に。。と考えていたのですが、どうもサイズが合わない。小さい。。ということで、ニワのパーツを半分に切断し、長さを伸ばすことにしました。
屋根上の点検蓋はテンプレートを作成の後、取り付けボルトの表現を行い、雰囲気を出しています。
ベンチレーターの取り付け穴を塞がないといけませんね。
真鍮帯金を使い、きれいに埋めることが出来ました。
うまくいきました。多少の段差はあるものの、ここはスエード調で塗装するのでこれくらいは隠蔽できると思います。
さて内装です。
元の内装はこれ。キットに付属されれている真鍮製の仕切り板です。エッチングで少しはディテールを施しているのですが、客室窓のガラス位置が高い! 窓割りにあってない。。ので、当工房お決まりのパターンで作成しました。
はい。こんな感じです。窓のある仕切り板は透明なPET版に、そうでないものは0.5ミリのプラ板にプリンターで出力した室内内装のシールを貼って組み立てて行きます。
さて、車体の塗装です。
もともと完成車体だったので、工作するときに一度リムーバーで塗装剥離を行っています。塗装前にはクレンザー研磨も行いますので、リベット周りは気を付けないと。
その間、内装に使うベッドを作らないと雰囲気が出てきません。
内装がほぼほぼ出来たところで今度は床下機器。マロネ49はスハ32系なので、かまぼこ型水槽に小さい蓄電池とお決まりなのですが、これは冷房改造車。KM3型冷房装置と川崎式駆動装置が装備されていますので、床下機器の配置は全く異なります。KM3型冷房装置付きの床下機器の詳しい解説はJTBパブリッシングから出版されている「中村光司著 知られざる連合軍専用客車の全貌」という本に記載があります。問題はKM3型冷房装置のパーツはモデルワムさんから販売されているのですが、今でもあるかどうか不明です。自作できないような複雑な形状でもないうえ、手元にある「車両史編さん会出版のオハ35系の一族 中巻」にKM4型冷房装置の図面があるので、それを参考にさせていただきました。
まず正面のお顔を作ります。左右は4ミリx0.4ミリの帯板から。上は2ミリx0.3ミリを0.3ミリ燐青銅板から切り出し。下は0.8ミリx0.3ミリ帯板から。中張は0.7ミリx0.3ミリ帯板からそれぞれ切り出し半田付けします。
その他は0.3ミリ燐青銅板から切り出し箱にします。裏側を蓋してしまうと内側が塗装できないので、あえて蓋をしていません。
このあとエコーモデルの精密メッシュを裏から半田付けし、配管をして完成です。
他の床下機器を配置して具合を見ます。この時点ではブレーキパイプなどの配管はしていません。というのは資料不足からあまり良く解らないから。。
ボディーを載せてみた感じも確認。この写真でとある違和感に気が付きました。そう、冷房改造車は改造時ボディー裾のリベットが削られていました。もう一つの違和感は3位デッキに冷房装置の配電盤が設けられたため3位デッキのドアが塞がれています。どちらも「後で加工しよう」と置いておいたもので、ここまで塗装してから忘れていることに気が付いてしまいました。「まぁ、このままでもいいか」と妥協しようかと考えたのですが。。
そんな妥協が許されるはずもなく、シンナープールへ。。ドボンさせました。
3位のデッキを塞ぎ、裾のリベットを削り、エッチングで表現された札差しの位置がおかしかったので削り取りエコーモデルの札差しを半田付けしで・・・。
なんとか生地完成となりました。
さて、置き去りになった床下配管。それぞれの床下機器の邪魔にならない位置を熟考した結果、こうなりました。これが正しいわけではありません。創造のたまものです。マネしないでね。
超長くなったので、これをもって前半終了です。後半は塗装編です。