2024年1月16日火曜日

1/87サイズの3等座席

Maxモデルのインテリアシリーズを作り続けているのですが、たまに「1/87サイズのインテリアを作ってくれませんか?」と依頼があります。

1/80サイズの物を92%縮小でプリントすればと簡単に考えがちなのですが、2次元の印刷とは異なり、そう簡単にはできないんです。まぁ、2次元でも線がつぶれたりしますが、それと同じことが3Dでは如実に起こってしまいます。

それは「造形不良」と「変形」です。3Dプリントの世界はほんと日進月歩で、数か月で世界が変わってしまいます。一昨年に比べて、解像度の向上や樹脂の開発は全く違う世界になっています。

それでも限界はあります。特に今回の3等座席の場合、1/80サイズでも造形に不安が出ている状態なので、これをさらに縮小してプリントなんて。。。

と思っていたらできちゃいました。ってよく見たら出來てないですね。真ん中奥の座席の足がプリントされていません。やはり細すぎなんですね。でもまぁこれ位ならなんとかなるでしょう。


1/80と区別するために1/87物には87の立体数字を入れています。こんなところに手間をかけるんだったら他をちゃんとしろや。って思わないでください。足の造形不良は歩留まり的にどれくらいか見て少ないようであれば販売したいと思います。

Maxモデル 特急「つばめ」のインテリア制作に入りました その③ スイテ37020

 次はスイテ37020です。

「或る日の富士」でスイテ37000を作っているので、苦労せずできました。

スイテ37000とは異なり、座席の区画がコンパートメントに代わっているくらいですね。コンパートメントのスペース確保のために、展望室とサロンが縮小されています。その分展望室の窓幅も狭くなっています。模型的には「行灯」が目立ちます。

コンパートメントの部分は寝台にも使えるよう設計されたとありますが、要は一等寝台をまんま使って簡略化したというほうが良いんじゃないの?

なので、コンパートメント部分はマイネの物を持ってきて、座席もマイネの物を使っています。展望室のソファーはスイテ37000では藤椅子だったらしく、それば塗装で済ませていたので、スイテ37000のソファーをそのまま塗装違いで表現。

問題はサロンの回転椅子です。写真ではスイテ37000とは異なるものの様に見えてしまうのですが、図面的にはスイテ37000と同じ椅子が書かれています。こうなれば「当時にタイムスリップしてスマホで写真を撮ってこよう」なんて無理なんで、スイテ37000は頭とひじの部分だけカバーがかけられていて、スイテ37020は「スッポリと収まるカバーが作られた」と勝手に解釈しました。なので、同じ回転いすを使っています。

スイテ37000にはバーカウンター見たいなものがあったのですが、スペースの関係でそれがなくなり、サロンと展望室のドアーが中央になったので、書棚も左右分割式なものに改められています。

前のブログで、プラの窓パーツを隠すとか書いていますが、アップの写真を撮りました。


こんな感じです。窓パーツの厚みを殺すレーザーカットの台紙と、シールと車体との位置関係が少しでも狂うとダメな部分です。これを合わせるのが一苦労。どころか相当苦労しています。今では経験値があるので、割と一発で合わせられるのですが、「或る日の富士」の最初のころは何回もやり直ししていました。
レーザーカット台紙で使っている紙も変更しています。新しいほうがシールを張った時の質感がとても良いです。

仮組したインテリアです。展望室のソファーはスイテ37000と色を変えて表現しています。サロンの回転いすは本来ではすべて白いカバーがかけられているのですが、それだと面白くないので、スイテ37000と同様、濃い赤いベルベットに頭とひじの部分だけカバーが掛けられているという表現です。左右に分けられた書棚もちゃんとモデリングしています。左にチラッと見えているのがコンパートメントの部分です。


お決まりのカタログショットで締めたいと思います。

Maxモデル 特急「つばめ」のインテリア制作に入りました その② スハニ35650

 Maxモデルの戦前客車シリーズのインテリアキットを製作しております「きづ模型工房」です。笑

とまあ、「或る日の富士」をコンプリートしたので「つばめ」のインテリア制作に入りました。スシ37740とスロ30750は富士と被るので、作るのはスハニ35650、スロ30800、スハ32600そしてスイテ37020。この4車種。

面倒なんで一度に作っちゃえって頑張ったのですが、ファーストショットを仮組みすると色々と欲が出てきて、結局スハニ35650でずいぶん時間を使ってしまいました。

苦労したのが荷物室の木目。客室みたいに装飾された内張りなんてしてませんから、木がむき出しなんですよね。これをどう表現するか、相当悩みました。

ファーストショットを仮組みした感じ。客室は従来シリーズと同じ仕様ですが、荷物室の部分は「淡緑色」のべた塗りな感じで仕上げていました。

まぁ、これでも良いかもしれないんですが、なんか物足りないというか、これだと塗装したのと変わらんじゃないの?と疑問がわいていたのも事実です。木目柄を淡緑色に変換したものをイラストレーター上で貼っては見たのですが、かなり「諄い(くどい)」んです。なんかいい表現方法はないのかなぁと模索して時間が経過していったわけです。


で行き着いたのがこれ。木目はやめて立体感を持たせた帯をまとわせてみるとまぁいい感じじゃないの?ついでに戸袋と床の格子もレーザーカットで作っちゃいました。
同シリーズではデッキ部分の内壁は作っていないんですが、荷物室のデッキ部分は車掌室と一体になっているので、妻板の内側を表現しないと面白くないんで妻板の内側と車掌室の出入り口の内側も作っちゃいました。

「或る日の富士」のシリーズのカタログショットを撮るために組むんですけど、仕切り板をレーザーカットの床板に固定したものを車体にはめ込むとき、デッキの部分を上に曲げてあげないと装着できないんですよね。
Maxモデルのシリーズは屋根も外せるし、床板も外せる仕様なので、うちのインテリアを仕込んだら車体を外して眺めてみたいじゃないですか。と僕は思うんですけどね。そういう時、デッキの床部分がどうしてもネックになるんです。なので、「つばめ」のシリーズは床板のデッキ部分は別パーツで、デッキ部分は車体側に貼り付けて、デッキ間の客室部分は床板に固定する仕様にしました。これで床板の付け外しが簡単になりました。

そうなると、このスハニ35650の車掌室部分がネックになるんですが、スハニ35650に関しては、車掌室部分は車体に固定する仕様にしました。
客室内側は同シリーズ同様、窓ガラスのプラパーツを隠す構造になっています。なので、とても良い雰囲気を演出しています。こういうところがちゃんとできていれば、室内灯を入れたときの明かりの暖かさというか柔らかさというか、そういうのが出てくるんですよ。


ってなわけで、カタログショットの写真を挙げておきます。この座席、クリアーブラウンが濃すぎです。もう少し薄めのほうが良いかな。モケットももう少し明るくてくすんだ感じがいいのですが、そうすると「エメラルドグリーン」な感じになってしまうので、なかり難しいですね。人が座った後の「ヘタリ感」を出すのもいいかもしれません。







Maxモデル 特急「つばめ」のインテリア制作に入りました その①座席

 っていうか、すでにできているのですが。

昨年末くらいから、スハ32系3等座席のモデリングに入ったわけですが、思いのほか難儀していました。どの座席も座席の幅は図面通りのスケールサイズでモデリングしています。


ファーストショットの写真です。モケットは別パーツでモデリングすることは決めていましたが、3等座席の初期型Type-A(一番右のやつ)の背ずりの部分はモデリングの段階から背板が薄すぎてモデリング出来ないだろうと抜いていました。この時点のオハ31タイプはなんちゃって仕様です。見ての通り、背板が薄くなりすぎてヤバいですね。
モケットの座布団の部分はよいのですが、背ずりも薄すぎてプリントの50%くらいは使えないという有様でした。

オハ31はなんちゃって仕様(最初は手元に詳細な図面がなかった)だったのですが、書庫を物色していると何と、資料を発見。あまり詳細ではないけれど。。なんちゃって仕様から、正規のサイズでモデリングをしました。
背板部分はスケールサイズでモデリング出来ないので、少しオーバースケールにはなりますが(とはいっても0.2ミリくらいだけど(ただ隅用は0.5ミリ))厚めにモデリングしなおしました。

モケットの背ずりも少し厚めにモデリングしています。厚さはユーザーさんの好みの厚さにサンドペーパーで削って貰おうという魂胆です。

戦前2等リクライニング座席がこのシリーズの発端なわけですが、戦前2等リクライニング座席は本体(台座)の上にモケットを乗っけるだけの仕様で、組み立て時に位置決めしずらいと私自身感じていましたので、今回の3等座席や乙式2等座席よろしく、同じ仕様にモデリングを変更しています。新規注文分から新しい仕様になります。

ちゅう分けで、塗装してみたのですが、3等座席のあの「緑」は難しい。。
本体の塗装はMrカラーの43番(ウッドブラウン)にGaiaカラーの46番(クリアーブラウン)をかぶせて塗装しています。木の感じはクリアーブラウンの重ね具合で調整しています。なのでクリアーブラウンはかなり薄めて吹いています。
でも、モケットの「緑」が全然だめですね。(´ε`;)ウーン…

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