2023年12月7日木曜日

天賞堂製 C53 へのDCCの搭載 果たして不規則なドラフト音はできるのか?

 工房には2両のC53がざいせきしているんです。

1両は流線形の43号機

もう1両は3シリンダーを再現している97号機

工房のレイアウトはDCもDCCも両方走らせることができるのですが、3シリンダーの音を知らない自分にとっては、このC53の音を何とかDCCで再現したいなぁとながーいこと考えていたんです。どっかから出さないかなぁとか。

Youtubeでテスト走行の映像も見たりしたのですが、経験のない私が聞いたことがるのは「高槻ー兵庫間」で復活運転したソノシートの音くらい。これも安増鮮明じゃないんです。C53の構造上から「こんな音なはずがない」とずっと思っていました。

DCCのデコーダーはESU社で揃えているのですが(訳あって)ESU社は自社のHPに音のデータを沢山公開しているんです。そのすべてがハイクオリティー。

ここになんかないのかと、ずっと見ていたのですが、ふとしたことから日本型の汽笛のサンプルが入っているのを見たころが昔あったのですよ。そういうこともあって、蒸気のデーターを片っ端から聞いていたのです。

どうしても見つからなかったので、テンプレートから削除されたのかと思って何気なく、アメリカ型蒸気機関車のデーターを見ていたら。。。

収量くされている汽笛の中に、省型蒸気の音そっくりな汽笛を選べる機関車があったんですよ。しかもそれはThree Sylindersとなっていて、大喜びでダウンロード。

聞いてみるとウーバーイーツっぽく「いいんじゃない」だったんです。
ブラスト音も申し分ないくらいの迫力。使えないサウンドスロットも多いけど。

で、このデータに、自分がやまぐちで録音していたC57,C56の様々な汽笛をアドインしてみました。

すんばらしい!!

私の聞くC53の音は大昔の記録映像。「信号設備」という名称でYoutubeで見ることができます。そこにC53がたくさん出てくるのですが、その音が私の思うC53の音で、できたデータはそれに近かったのです。

流線形のC53はエンジン自体に搭載スペースが多くあり、デコーダーからスピーカーまで、全て収まりますので、気炭間に追加のケーブルは全く必要ないです。

ただこの状態で、設定を詰めても、3気筒の音は等間隔でしか鳴らすことができません。Loksoundは動輪一周の時間からブラスと音を何回鳴らすか、、という事までしかできないんです。ということで。。

コンタクトホイールの切片の所に穴をあけ、そこにネオジウム磁石を埋め込みました。
スイッチングICはその近くにインストール。LokSoundとは3本のリード線を半田付けするだけ。これでコンタクトホイールの同調に従ってくれます。

さて、次は3シリンダー再現機の97号機。再現するためか、ウェイトが少なくて少し軽いんですよね。そこから何とかしないと。。

月末には少し大きめのラウドスピーカーが届くので、次はその検証ですかね。それまでにもう一両、組み込みたいですね。

ところで、このC53の音、なかなか良いので、うちで販売しているデコーダーにデータをお付けしようかしら。。


2023年12月5日火曜日

3軸台車用イコライザーのその後

ブログでは お久しぶりです。ぢぢぃです。

日光モデルの3軸台車(TR-71、TR-73)用のイコライザー、以前から販売させていただいております。多くの皆様にご購入いただき、色々なご意見も頂戴しております。ありがとうございます。

改良版から車軸にフッ素樹脂を使うことで走行抵抗を大幅に軽減できたのですが、長時間走行で抵抗が増えるというご意見も数件届いております。

もちろん、当家のレイアウトでも同じような事象が確認できております。
なんでだろうかと、色々とモデリングをし直しては走行テストを重ねておるのですが、少しづつその原因がわかってきました。

ひとつは「イコライザーアームのガタツキ」です。これは難しい問題で、イコライザーアームが軽く動くようにするには、ボルスターとイコライザーアームの接続部に、ある程度のガタツキが必要なんです。軸に金属を使ったら?とかベアリングを使ったら?とかいろいろ考えたのですが、前者の場合は組み立てにかなりのスキルが必要になってしまいますし、後者は価格が倍くらいになってしまうこと(こんなサイズのベアリングはありませんが)なんで、どちらも現実的な解決方法ではないです。

じゃぁなんで遊びを作るとダメだったのか? という事を考えたのですが、おそらく支持点がある程度関係しているのではないかと考えました。

今までの製品では車軸を受ける部分(赤い線)と、ボルスターとの支持点(青い線)とが一直線ではないので、車体の重さが加わると、イコライザーアームが「ハの字」(右の図)になってしまっていました。

もう一点はクリアランスの問題と思われます。現行商品ではフッ素樹脂をカットしてイコライザーアームの車軸受け部分に差し込むわけですが、フッ素樹脂パイプをカットする際の少しの変形が抵抗に繋がってしまいます。組み立て時はゴニョゴニョして軽く回るようになっていても、時間が経てばフッ素樹脂パイプは変形した形にある程度元に戻ろうとするので、時間がたてば動きが渋くなるという感じと思います。

現行商品では組み立てるために車輪を抜かないといけないので、再組み立ての時に歪んで入れてしまうと、車輪が左右に振れてしまいます。これも走行抵抗の原因になります。

まとめると

①イコライザーアームのガタツキ
②車軸支持点とイコライザー支持点とのずれ
③軸受の渋さ
④フッ素樹脂パイプをカットするときのパイプの変形
⑤再圧入した車輪の振れ

と、5つも考えられる原因が上がってきました。

と、い・う・こ・と・で…。

再々アップデートして申し訳ありませんが、再々改良版を作りました。

①の改良点
ボルスターの形状を変更してイコライザーアームの振れを軽減させてみた。

②の改良点
イコライザーアームの軸受部分を外側へ張り出すような形状に変更し、車軸支持部と一直線上になるよう変更した。

③,④の改良点
車軸受け部分をC型に改良し、車軸を締め付けないよう工夫した。フッ素樹脂パイプもC型にカットすることで、車軸から車輪を抜かなくてもイコラーザーアームを取り付けられるようになった。

④の改良点
フッ素樹脂パイプをカットする治具の改善

カットする幅を1mmまで詰めたのと、パイプの変形を抑える出っ張りをつけた。
外側に別のカット治具を付け加えた(こっちの方がきれいに切れる)こちらも中心に出っ張りを設けてあり、パイプの変形が起こり辛いようにしています。

と、い・う・こ・と・で…。

さらに改良された製品を販売します。
光硬化樹脂も硬さを追求した今までの樹脂と異なり、ある程度柔軟性のある樹脂に変更しています。このタイプの樹脂には「黒」が無いので、製品は濃いめのグレーになります。
価格は据え置きです。よろしくお願いいたします。
左が再改良版、右が従来版

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