ちょっと前、サンステラ社さんのモニター応募に応募して頂いた「高剛性レジン」
3Dプリンター用のレジンは模型を製作する材料としてとてもいいツールなんですが、問題も多くあります。
その一つでとても問題になるのが「反り」です。変形とも言えますか。
造形するものが大きくなればなるほど、板状のものは特に。
もとはユニフォーメーション(UNIFORMATION)から販売されているABS_Likeレジンなのですが、反りが少ないらしいので試してみました。
Youtubeに動画をアップロードしたので、それをご覧あれ。
テストパターンを出力した動画でしたが、まずまずの感じです。きづ模型工房で販売している「オシ16」のキッチンも反りにとても悩まされた経験もあります。それも出力してみたのですが、とても良好で、「オシ16」のキッチンはこのレジンで出力しています。
となると、テストパターンじゃなくて、モデリングした「オシ16」の車体をプリントして見たくなります。それにはとっても高い壁を乗り越えなければなりません。
当工房にある3Dプリンターではこのサイズの物は造形できません。ということでオシ16やこれから開発してゆくであろう車両たちのために投資を。。
巨大な3Dプリンター。左に写っているSTARN2が小さく見えます。これで造形する環境は整いました。
モデリングしたパーツを3Dプリンターでそのまま印刷することはできません。パーツの分割やクリアランスがどれだけ取ればいいのかなどなど。
作る人から見れば余計な「サポート」と言われるものを付けなければなりません。
ということでまずはスライサーソフトにパーツを読み込ませます。
すでに施工済みなのですが、サポートという「柱」みたいなのを付けないと3Dプリンターで造形できません。沢山つければ失敗なく造形できるのでしょうけれど、組み立てる際にはこのサポートからパーツを取り外さないといけません。プラモデルのランナーと同じですね。
なのであまり多くつけると外せなくなります。サポートは極限まで少ないほうがよく、ユーザーさんが外しやすいものにしないといけません。なので、自動でサポートを付けることは致しません。すべて、一つ一つ手動でつけてゆきます。
実際にはこういう方向になります。青いのがモデルで、うえの黒い物体が3Dプリンターの「ビルドプレート」という部分。このビルドプレートがレジンのプールに浸かって、下から紫外線を当てて立体にしてゆきます。
取り付けたサポートを少し拡大して、第一層目だけ色を変えてみますと。。。
こんな感じです。すごく手間のかかる作業で、1/80サイズの客車ですし、側板2枚と屋根、床とそれだけで2,3日くらいかかります。
傾ける角度もとても重要で、積層した痕、いわゆる「積層痕」がほとんど出ない角度を計算して傾けています。百万分の1ミリの角度の精度で角度をつけています。
で、出力結果は。。
薄い横縞が出ています。これが塗装にどう影響するかはこれからテストします。比較対象として、表面を研磨したものと合わせてテストです。
とまぁ、こんな感じで進めています。製品として出せるかな?知らんけど。